カリマーの人気シリーズ「リッジ」は、S・M・Lサイズ展開と30L・40L・50Lの容量展開、さらに「プラス」モデルまであり、その違いが何なのかわからないという人も…。
そこで今回は、カリマー「リッジ40プラス」を軸に、S・M・Lサイズの違いと、リッジ30・40・50の用途別特徴をわかりやすく解説します。
カリマー「リッジ」シリーズは、S・M・Lの違い=背面長(体格に合わせるためのサイズ)と、30・40・50=容量(行動日数や装備量で決める要素)で展開されています。
S・M・Lは体格基準の違い、30・40・50は登山スタイル基準で選ぶことが最適解です。
この記事では、特に人気のリッジ40プラスを軸に、サイズと容量の違いをわかりやすく比較しながら「自分に合ったモデルはどれか?」を整理できるように解説していきます。登山ザック選びで迷っている人にとって、失敗しない選び方の指針になれば幸いです。
分類 | 違いの基準 | 特徴 | 選び方の目安 |
---|---|---|---|
S / M / L | 背面長(体格に合わせる) | 容量は同じ。背中の長さでフィット感が変わる |
S:150〜165cm M:165〜175cm L:175〜185cm |
30 / 40 / 50 | 容量(行動日数・装備量で選ぶ) | 数値が大きいほど収納力が増えるが重量も増える |
30L:日帰り〜1泊山小屋泊 40L:1〜2泊縦走や軽量テント泊 50L:3泊以上や冬山装備 |
プラス / プラスなし | 拡張性・収納力 | プラスはポケット多めで実容量大きめ、無印は軽量シンプル |
プラス:荷物が多い・整理したい人 プラスなし:軽快に歩きたい人 |
カリマー「リッジ」シリーズの基本概要
カリマー「リッジ」シリーズは中〜長距離の登山や縦走に特化した汎用性の高いバックパックです。
軽量性・耐久性・背負いやすさのバランスが良く日帰りから数日間の山行まで幅広くカバーできます。背面構造にはアルミフレームとメッシュパッドを組み合わせ、長時間背負っても肩や腰に負担がかかりにくい作りになっています。
また、複数のポケット配置やギアアタッチメントで、登山だけでなく旅行やキャンプにも使える柔軟性があります。
「40プラス」って何?名前の意味と位置づけ
「40プラス」は40Lを基準に、拡張性や追加機能を備えたモデルです。サイドポケットやトップリッドの容量が大きく、実質42〜44L程度まで収納可能。外付け装備も安定して運べるギアアタッチメントも搭載されることが多いです。
「40」は容量ぴったり40Lの軽快モデル、「40プラス」は余裕のある積載力を求める人におすすめです。
「40プラス」は容量が約40リットルを基準としつつ、拡張性や追加機能を備えたモデルです。単なる「40L」モデルと区別するために「プラス」という表記が付いています。
カリマーの「40プラス」はサイドポケットやトップリッドの容量が大きめで、実質的には40Lを少し超える荷物が入ります。また、モデルによってはギアループや追加コンプレッションストラップがあり、外付け装備も安定して運べる仕様になっています。
「リッジ40」が容量ぴったり40Lであるのに対し、「リッジ40プラス」はテント泊や長期旅行など少し余裕がほしいシーンに向いています。これは、登山で言えば「あと1枚防寒着がほしい」「食料を多めに持ちたい」といった時に効いてくる差です。
「40プラス」は40Lクラスの使い勝手を保ちつつ、もう少し余裕のある積載力を求める人に向けたモデルと言えます。

現在販売されているのは、ほとんどがリッジプラス

S・M・Lサイズの違い:背面長の選び方
カリマーのS・M・Lサイズの違いは容量ではなく「背面長」の違いです。つまり、ザックの高さや背中に当たる部分の長さが変わるだけで、基本的な収納容量は同じです。
登山用ザックは体格に合わせて背面長を選ぶことで、重心が安定し、肩や腰への負担が大幅に軽減されます。背面長が合わないザックは、歩くたびに揺れたり、肩にだけ荷重がかかったりして疲れやすくなります。
身長で例えるなら、160cm女性がSサイズを選べば腰ベルトがしっかり腰骨にフィットし、肩の荷重が減ります。一方、同じ女性がMサイズを選ぶと腰位置がズレ、長時間歩行で肩や腰に痛みが出やすくなります。
サイズが合わない例として、身長160cm前後の人がLサイズを使うと、腰ベルトが腰骨より下に来てしまい、結果的に荷重が肩に集中します。逆に180cmの人がSサイズを使えば、背面が短すぎてザックの重心が高くなり、不安定になります。
カリマーではおおまかに下記を目安にS・M・L選びます(あくまで一般的な目安です。背面長の計測をするのが一番良いです)。
- S:身長150〜165cm程度
- M:身長165〜175cm程度
- L:身長175〜185cm程度
S・M・Lは自分の背中の長さに合わせたサイズを選んでくださいね。

3サイズ展開で自分だけのジャストフィット
体格別おすすめサイズ早見表
背面長 | 身長目安 | サイズ | 備考 |
---|---|---|---|
38〜43cm | 150〜165cm | S | 小柄な人向け |
44〜48cm | 165〜175cm | M | 平均的体格向け |
49〜54cm | 175〜185cm | L | 背の高い人向け |
背面長を測ってから選ぶのが失敗しないコツです。
容量は同じでも使い勝手が変わる理由
容量が同じでもS・M・Lで使い勝手が変わるのは背面長と荷重バランスの差です。
背面長が変わるとザック全体の形状や背中への密着具合が変わり、それによって重心の位置・肩や腰への荷重配分が変化します。登山ではこのバランスが非常に重要で、数時間なら差を感じなくても、丸一日歩けば疲労の差は歴然です。
容量40Lのリッジ40プラスでも、Sサイズなら全体的にコンパクトな形状になり、狭い登山道や岩場での取り回しがしやすいです。逆にLサイズは背が高く細長いシルエットになるため、重心が安定して重い荷物も運びやすくなりますが、頭の後ろにザックが当たりやすいというデメリットもあります。
同じ重量10kgの荷物を入れた場合、体格に合ったサイズなら腰でしっかり支えられて軽く感じますが、合わないサイズでは肩や背中に負担が集中し、同じ容量なのに疲れるということが起きます。
容量だけでなくサイズ選びも同じくらい重要です。

体にフィットすると荷重分散で疲れにくい
リッジ30・40・50の基本的な容量と用途の違い
容量と用途の目安
- リッジ30:日帰り登山や1泊山小屋泊向け。軽量で機動性重視。
- リッジ40:1泊2日〜2泊程度の縦走、軽量テント泊にも対応。
- リッジ50:3泊以上の長期縦走や冬山装備向け。余裕の積載力。
リッジ30・40・50は容量の差によって適した登山スタイルや持ち運べる装備の幅が変わります。
容量が増えるほど収納できるギアや食料、衣類の量が増え、行動日数や対応できる季節が広がります。一方で容量が大きくなるほど重量やサイズも増し、取り回しはやや制限されます。
春〜秋の日帰り登山では30Lが軽快で便利ですが、秋の紅葉シーズンに泊まりがけで山へ行くなら40Lが安心です。そして冬山や長期縦走では、防寒着や予備食料を持つために50Lがほぼ必須になります。
容量選びは行動日数・季節・装備の多さで決めるのが良いでしょう。

サイド&ボトムコンプレッションでギア収納が自在
30Lモデルが向いている人とシーン
リッジ30は軽装で短時間の山行を快適にこなしたい人に最適です。
容量30Lというサイズが日帰り登山や1泊山小屋泊に必要な装備をちょうど収められる大きさであり、余計な重量やかさばりを避けられます。ザック自体も軽量で、狭い登山道や急登でも取り回しが楽です。
夏の高尾山や丹沢、北アルプスの燕岳日帰りなどでは、飲み物・軽食・雨具・防寒着1枚を入れても容量は十分。山小屋泊なら着替えと洗面具を加えても、パッキング次第で収まります。逆に、テント泊や冬山装備を入れようとすると明らかに容量不足になります。
リッジ30は軽快さと必要十分な収納力を両立した、日帰り〜1泊登山用に向いています。
40Lモデルが向いている人とシーン
リッジ40および40プラスは1泊2日〜2泊程度の山行や軽量テント泊に最適な中容量モデルです。
40Lクラスの容量が、衣類・食料・寝具・雨具・防寒着などの必須装備を無理なく収められるちょうど良いサイズです。さらに40プラスの場合はサイドやトップのポケット容量が多く、実質42〜44L程度まで収納可能なため、少し余裕を持ったパッキングができます。
夏の北アルプスで2泊3日の山小屋泊や、春〜秋の1泊テント泊であれば、40プラスならシュラフやマットも含めて十分収納可能です。逆に日帰り登山では容量が余ることもありますが、カメラやレンズ、行動食を多めに持ちたい人にはちょうどいいサイズ感になります。
40プラスは「汎用性の高さ」と「拡張性」を兼ね備えた、迷ったときに選んで間違いないサイズです。
50Lモデルが向いている人とシーン
リッジ50は長期縦走や冬山登山、荷物が多くなる冒険的な山行に向いています。
50Lという大容量は、テント・寝袋・マット・防寒着・食料をすべて収められるサイズであり、さらに冬季装備やクライミングギアなども追加できる余裕もあります。ただし容量が増える分、ザック本体の重量と全体の嵩張りも増えます。
夏の北アルプスで4泊以上のテント縦走をする場合、食料や水の重量だけで10kgを超えることが多く、40Lでは入りきらないことが想定されます。また、冬山でアイゼンやピッケル、防寒着を複数持つ場合も50Lが安心。反対に、日帰りや山小屋泊では明らかにオーバースペックになります。
リッジ50は荷物が多くなる行程・季節・目的に特化した大きさで、長距離山行を計画している人には心強い相棒です。

容量自在、テント泊も余裕の収納力
他メーカーの同容量ザックとの比較ポイント
カリマー「リッジ」シリーズは背負いやすさと耐久性のバランスの良さで他メーカーの同容量ザックと差別化できます。
リッジは英国発ブランドらしく堅牢な生地としっかりした背面構造を持ちつつ、日本の山岳環境に合わせた背面長サイズ(S・M・L展開)やポケット配置を採用しているため、欧米メーカーにありがちな「サイズが大きすぎる」「ポケットが使いにくい」といったことが起こりにくいです。
同じ40Lクラスのザックで比較すると、
- オスプレー タロン/ケストレル → 背負い心地は軽快で通気性が高いが、生地がやや薄め
- ミレー サースフェー → 荷重分散は優秀だがやや重め
- カリマー リッジ → 頑丈さと軽さのバランスが良く、サイズ展開が豊富
というように、それぞれ特徴がありますが、リッジは「長く使える・体格に合わせやすい・汎用性が高い」という総合力で優位性があります。
リッジシリーズはオールラウンダーなザックを探している人にとって、最も失敗しにくい選択肢と言えます。

通気性抜群の背面パッドで快適トレッキング
実際のユーザーが選んだ決め手ランキング
リッジシリーズの購入理由は背負い心地・耐久性・容量バリエーションの3つが上位を占めます。
ユーザーの口コミやレビューを分析すると、多くの人が「長時間背負っても疲れにくい」ことと「何年も使える頑丈さ」を高く評価しています。また、S・M・Lサイズや30〜50Lの容量展開があるため、自分に合ったモデルを選びやすい点も支持されています。
購入の決め手ランキング
- 背負い心地の良さ(フィット感・荷重分散のバランス)
- 耐久性の高さ(生地や縫製の頑丈さ)
- サイズ・容量の選択肢の多さ
- ポケット配置や使いやすいデザイン
- ブランドへの信頼感(長年の実績)

専用レインカバー標準装備、突然の雨も安心
「初めての登山ザックでリッジ40プラスを選んだら、テント泊にも日帰りにも使えて、買い替える必要がなくなった」という声も多く見られます。これは汎用性の高さと耐久性の組み合わせによるものです。
リッジは長期的な相棒として信頼できる“失敗しないザックという評価になります。
まとめ:選び方の結論
- 背面長を計測してS・M・Lを決める
- 行程・季節・装備量で容量を決める
カリマー「リッジ」シリーズは背面長(S・M・L)と容量(30・40・50)を分けて選びましょう。
まずは、S・M・Lを体格に合わせたフィット感で決めます。次に、容量を行動日数・季節・装備量によって決めます。この2つを混同すると、容量は合っているのに背負いづらい、または背負いやすいのに荷物が入らない、という失敗が起きます。
身長170cmで2泊3日の縦走をするなら「Mサイズ × 40プラス」がフィット感と収納力のバランスが良い選択になります。一方、小柄な女性が冬山縦走をする場合は「Sサイズ × 50」が安心です。
正しい組み合わせを選べば、リッジシリーズは10年以上の相棒になれる登山ザックです。